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それはアレルギーの克服からはじまった

「なによりも「安全・安心」なものをお届けしたい」
すべては、30年前のわたしの病気がきっかけです。当時6歳のわたしが、アレルギーからくる喘息の発作で無呼吸状態となり、救急車で運ばれました。一時は危篤状態に陥ったものの、幸い一命を取りとめることができた。この出来事をきっかけに、わたしの両親が、アレルギーのために夜も眠れないほど苦しんでいる人や、体の弱い人たちが安心して眠ることが出来る、安全なふとんを作りはじめました。
これが株式会社ハートの原点です。その後、全国のこだわった生協でお取扱いしていただけるようになり、生協や自然食品店を中心に全国へ販路を拡大していきました。

また、約15年前から、海外の展示会に出展するようになり、日本製のオーガニック認証製品を求める、海外からのお問い合わせ、注文も増えてきています。
1990年代より全国の生活協同組合を中心に販路開拓を行い、また2000年代からはオンライン販売、また、海外への卸販売も開始した。2019年には、はじめての自社直営店舗を東急ハンズ渋谷店内に構えた。国内外での卸販売や、店舗販売を行っていく中で、オリジナルブランド必要性を感じ、2020年当社のオリジナルブランドである「SaFo」を立ち上げました。

地球の生態系を守るトータルな活動

オーガニックというのは「人を含めた生態環境を守る」ということにつきます。
農場においては無農薬であること。農薬により影響を受ける農家、周りの環境を守ること。糸以上の加工品になったら工場で働いている人、その工場の周りの環境を守ること。化学薬品を使うことによって、癌になったりアレルギーになったりする人が多く、そういった労働環境が原因で発生する疾患から、働く人を守ること。
そして、製品に有害とされる化学薬品が付着していないことによって、製品を使う人がかぶれたり、肌が荒れたりしないこと。
生産者、製造者、消費者、そしてそれらを取り巻く環境を守ることが「オーガニック」であるといわれています。

無添加のものでも、ただ自分たちが「無添加だ」と言っているだけでは信頼性が担保されない。そこで、第三者の認証機関が実地、書類の検査を行い、製品の安全性を担保する「オーガニック」を始めました。

トレーサビリティと認証制度、市場の広がり

弊社は国際オーガニック認証されたオーガニック繊維製品を自社工場で製造し、国内外へ販売しています。世界的なオーガニック認証機関であるエコサートの第三者の目で、実地、書類検査を毎年行い、オーガニックの世界基準であるGOTSとOCSの認証を取得更新しています。
オーガニックはトレーサビリティといわれるほど、原料から完成製品に至るまで、すべての工程において安心・安全な製法で作られているか、移染・汚染・混入のリスクがないか、透明性をもって証明されなければなりません。

近年、サステナビリティの言葉に代表されるように、地球環境へのインパクトをいかに減らして「持続可能な発展」につなげることができるが、世界中の企業活動のキーワードとなっている。そういった背景のもと、オーガニックへの関心は高まり続けています。特に、2020年に起こった新型コロナウィルスのパンデミックの影響を受け、「安心・安全」を求める人々の関心は加速度を増しており、世界中での有機製品の売り上げは前年より20~100%増になるとの報告もあります。

感染症が流行すると、なぜオーガニックブームが起きるのか。日本では、オーガニックはなんとなく健康にいいというイメージは浸透しています。一方、世界最大のオーガニック市場であるアメリカとEU、両地域を合わせると世界全体の80%を超える巨大オーガニック市場になります。この地域では、オーガニック食品、製品の効果・効能を示す学術的根拠が、過去20年の間によく見られるようになりました。コロナ禍で特に注目されているのが、「免疫力向上」「基礎疾患予防」という人間の健康にかかわる、オーガニックの効果・効能です。有機食品や製品利用は免疫力を高める。欧州の研究機関で行われた研究から、有機農作物を摂取した動物はその子孫の免疫力まで高めることが明らかになっています。

製品をつくる上で難しいこと

一般的には、オーガニックの繊維製品でも、縫い糸には、化繊糸を使用することが多くあります。当社は、使われるお客様の安心・安全を考え、天然の綿糸を使用しています。化繊糸より、天然の綿糸は、デリケートなため、縫製スピードを通常よりゆっくり行っています。通常であれば10枚、15枚作れるところ、当社の布団は1枚とゆっくりとはなりますが「安全・安心」な製品を作るため妥協はしません。

工場は、高知県の山の奥、自然に囲まれた中にあり、その中でオーガニックのものづくりを行っています。自然のものを使い、作るときの電気、電力はできるだけ使わない。
働く人、周りの自然環境にやさしい安心・安全なものづくりを目指しています。一方、実際のものづくりでは、非常に厳しい基準で製造にあたっています。環境にも人の身体にも安全なものを作るということは、有害とされる化学薬品がつかない、混入していないものを作るということ。自社工場では掛けふとんや敷ふとんのほか、毛布やシーツなども製造しています。全ての製品は出荷前に検品、検針、ブラックライト(汚染物質を青白く光らせるライト)によるケミカルチェックが行われます。手で触れたり、ミシンオイルなどが付着すると、ブラックライト下で白く光ります。

オーガニック原料を使用し、国際基準に則って定められたオーガニック製品製造マニュアルに従って製造された最終製品とはいえ、原料の輸送や製造プロセスにおいて、有害とされる化学薬品によって汚染されるリスクはゼロではありません。だからこそお客様へお届けする前にブラックライトを数十本設置した専用検査室で化学薬品による汚染が本当に、確かにないかどうか、念入りに検査を行い、出荷しています。
仕上がった最終製品を使う人が安心して使えるものを、という気持ちでものづくりをしています。
化繊製品や、化学薬品を使用した製品は、ブラックライトで照らすと、白く光ります。ブラックライトでわずかでも光ると、化学薬品の移染・汚染・混入の恐れがあるため、通常製品としてお客様への販売は行いません。

高知の本社と東京でのショップ。
地方と都市でのビジネスのポイント

テレワークやオンライン会議、また、オンラインショッピングなど、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションに否が応でも適応しないと仕事ができない社会環境になってきています。こういった技術の進歩と社会状況では、今までは東京でしかできなかった仕事が、地方に住んでいてもできるので、長い通勤時間をかけて毎日会社へ出ていく必要がなくなったという人が増えていきます。
しかしながら、東京には巨大なマーケットがあり、また、海外とのつながりも多い。
多くの人が今どういったもの、サービスを求めているのか、集まり交わされる情報量に地方と東京では大きな差があり、それが新商品・新サービス開発の差につながるため、やはり東京のマーケットを肌感覚で感じることが、定期的に必要だと思っています。

すべてに「安全・安心」を

それは、製品そのものの「安全・安心」だけでなく、原料を作る人から製品を使う人まで、また、取り巻く環境すべての関係するところが「安全・安心」であることを目指します。ハートでは、幅広い経験、バックグラウンドを持ったスタッフが、老若男女問わず多く働いています。
創業当初より、家庭が第一で、その家庭を守るために仕事をする、という考え方が浸透しています。その結果、女性スタッフの比率も多く、また、働き方や働く時間も様々です。国内外を問わず、様々な経験をしたスタッフが多く、それは新しい、より良い製品を生み出す原動力となっています。個々の価値観や視点の違いを認め、尊重する姿勢。それは、ハートではたらく人たちの「安全・安心」にもつながっています。

農場においては、農薬により影響を受ける農家、周りの環境を守ること。
加工品を作る工場で働いている人の健康、その工場の周りの環境を守ること。
製品を使う人の健康、安全な生活環境を守ること。
生産者、製造者、消費者、そしてそれらを取り巻く環境、その多様性を守ることが「オーガニック」であり、我々の使命であると感じています。環境問題に真正面から向きあい、解決することを目指しています。

今後もサスティナブルな企業活動の流れは、世界中でますます加速していくと考えています。20世紀、企業は、大量生産を行い、利益を追求して拡大していく姿が理想とされていました。しかし、今、そういった企業活動が様々な問題を引き起こし、ひとつの曲がり角に差し掛かっているように感じます。もちろん、企業は利益を追求するという命題をもって存在しています。しかし、今までのように利益だけを追求するだけではなく、商品・サービスを作るために働いている人、それを受け取る消費者、またその商品・サービスに関わる環境、すべての関係者、関係する環境が豊かになるものを提供していく、昔の商人が大切にしていた、三方よしの考え方が今後の企業活動にとって必須のものになると考えています。
将来、オーガニックの商品を買うときに、選択肢の一つとして、世界中の皆さまの頭の中に「ハート」の名前が少しでもよぎるようになれば有り難いです。

株式会社ハート代表取締役社長
山岡弘章

2014年に入社。20年4月に社長に就任。
寝具の製造、卸売業は祖父からです。父親の代で、安全安心な寝具作りを追求するオーガニックな寝具の製造・開発に取り組み始めました。オーガニックの寝具を高知から全国のお客様や海外に発信する両親を近くで見て育ち、生活の中でオーガニックは非常に身近な存在だったのです。
20代でアートや海外文化の勉強の為に4年半渡英。ヨーロッパでは人々が食や服、住居など生活のあらゆるジャンルでオーガニックに熱心で、より生活に密着していたのが印象的でした。私たちも日本でオーガニックを生活の一部にしていきたいと改めて感じています。